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注意してはいけないの?「首から水筒をかけたら危ないぞ」

福岡で、小学生の子どもが「首から水筒をかけたら危ないぞ」と見知らぬ男性から声をかけられたことで、管轄の警察署が防犯メールで注意を呼びかけました。

これに対しXでは、「良いおじさんなのに、不審者扱いとは世知辛い」「不審者と親切の線引きはどこ?」「何も言えないよ」の声があがり、物議をかもしています。

私たちが、もし今回の様に、危険な状態にあるお子さんを見かけたら、注意喚起するのは、いけないのでしょうか?
こんな時、どうしたら良いのでしょう?

目次

危険な状態にある「見知らぬお子さん」に声をかけてはダメ?

危険な状態にある「見知らぬお子さん」に声をかけることはNGなのでしょうか?

結論から言いますと、そんなことはありません!

見知らぬお子さんが、危険な状態である時、そして今回のように危険なことが起きる可能性がある時にも、ためらわずに声かけをしてあげてほしいと思います。

日本は、登下校時には、なるべくお友だちと一緒に行動するように言われていますが、送り迎えをする家庭はまれで、ほとんど子どもだけで行動します。

放課後も、学童保育や放課後等デイサービスに行かないお子さんでも、高学年になると、お子さんたちだけで公園で遊んだりして、必ずしも親はそばにいないんですよね。

子どもたちを見守るのは、やはり地域の大人である私たちです。

どのように声かけすればいい?

例えばもしも、子どもが今にも道路に飛び出しそう、とか、お友だちを傘でたたく寸前、など、危険が迫っている場合は、瞬時に近づき、はっしと止める、で、もちろん良いですよね。

今回のように、水筒を首からかけている、歩きながらゲーム、などしている子どもを見かけた時は、どう声かけすれば良いのでしょうか?

「叱る」ではなく、「アドバイス」

知らない大人から声をかけられることは、ただでさえ脅威だと思います。

「あ、突然、すみません。」と柔らかい口調で声をかけ、「水筒を首からかけると、本当に危ないので、カバンに入れた方が良いですよ。」と、理由まで言ってアドバイスすると、解かりやすくて良いと思います。

さらに学校に連絡して、水筒のことを注意喚起してもらうと、他のお子さんのことも守ることに繋がるでしょう。

お子さんを「叱る」ことは絶対にNGです。そして、たとえ大声ではなくても、「否定語」は使わないようにしましょう。

「叱る」という行為には、人の学びを促進する効果はありません。

叱られた側のネガティブ感情が引き出されると、苦痛や恐怖で意識が満たされてしまいます。

すると叱る側の思いとは裏腹に、その状況の原因には意識が向きにくくなってしまうのです。

(参考文献:『〈叱る依存〉がとまらない』村中直人 著)

「叱る」には効果が無いことが、脳科学の研究でも明らかになっています。
叱ることで、「びっくりした」「怖い」といったことだけが記憶に残り、肝心のアドバイスの内容は入ってきづらくなってしまいます。

これは、知らないお子さんに声かけをする時だけではなく、先生と生徒、親子、職場でも同じです。

首から水筒をかけたら危ないの?

首から水筒をかけたら危険です。

消費者庁も、公式サイトで、水筒は首からかけると危険なので、リュックに入れるよう、呼びかけています。

もしかしたら…おじさんは、自分か周りで 水筒でケガをした経験があって、危険だと、伝えたかったのかもしれませんね。

危険な理由は、次の2つです。

  • 転倒した際、首からさげていた水筒が、地面とお腹の間に挟まり、腹部を強打する可能性がある。
  • 水筒のひもが首や腕に絡まったり、遊具等に引っかかり、大きな事故になる危険性がある

水筒をさげたままの転倒事故で、内臓損傷してしまったケースも、実際に起きています。

(参考:消費者庁公式サイトより)

「不審者」扱いは「世知辛い」?

今回のニュースを見て、「おじさん、親切に声かけしたのに、世知辛い世の中になったなぁ…」「昔は、近所のおじさん、おばさんに育ててもらったのに」というたくさんの声がありました。

確かに、親切なのに、不審者扱いはヒドイ!と思う気持ちも解ります。

ただ、それよりも、防犯の意識が高まって良い面が大きいのです。

実は、それだけ「昔は近所のおじさんに育ててもらった」時代から、ずっと、子どもに対する性犯罪は多いのです。
親や警察に言えたケースよりももっと、「言えなかった」ケースはたくさん隠れており、それだけ、昔も今も、性犯罪の危険が子どもの周りに多いのです。

筆者が子ども時代、友だち同士で話すと、筆者も含め、みんな痴漢に遭ったりする経験があったのは 子どもながらに、衝撃的でした。

筆者が子育てをするようになったら今度は、危険な声かけや、自転車で連れ回される、ということが、周りのお子さんに起きてしまいました。

ですから、今回の事例でも、「声かけ」の時点で、防犯メールが回るのは、逆に言うと、防犯意識が高まり、これをニュースで知った「本当の不審者たち」に抑止をかけられるようになった、ということなのです。

では、どうしたらいいのか

「見知らぬ人」ばかりが危険なのではありません。

現実には「知っている人」の性犯罪も多いのです。

これは、「加害者を生まない」社会作り、子どもの頃からの性教育、人権教育が必要です。
そうした社会創りが、「声かけが不審者扱いになる世知辛い世の中」を変えることに繋がると思います。

日本は先進諸外国に比べ、性教育が遅れています。

先ずは、日本の性教育を改善し、大人も子どもも学ぶこと、
同時に、地域の大人である私たちも、外に出る時には、不審者がいないか、子どもが危険なことをしていないか、見守っていくことが、本当に大切ですね。

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