2024年5月20日に放送されたTBS「ジョンソン」で、アイドルと芸人が対決した「種目」に対して、視聴者から「危険なのでやめて」「2度とやらないでほしい」と怒りの声が上がっています。
どんな「種目」だったのか、危険性があったのかどうか、ファンの声は?
「ジョンソン」をご覧になった方・観れなかった方へも、お伝えしていきたいと思います。
危険なのは、何の「種目」だったのか
5月20日の「ジョンソン」は、“エクストリームスポーツマンNo.1決定戦”と題して「アイドルチーム」と「芸人チーム」とで競う、という回でした。
しかし、「種目」が度を越えていたため、多くの批判の声が上がっています。
「危険だ」と、炎上していたのは、3つの「種目」。
①行われた「種目」でXで一番炎上していたのは、「重さ680キロの軽トラックを鼻フックで引っ張る」というレースです。途中で突起を乗り越える箇所もありました。
②次に危険性について心配する声が多かったのは、「ボールにタッチできた人数の多い方が勝ち」という「種目」で、5球のうち2球は「爆弾ボール」というものでした。
③高速回転椅子でぐるぐると回された後で、跳び箱をとぶ、というものがありました。結構なスピードで何回も回された後で、8段の跳び箱をとぶ、というものです。
5月20日放送のジョンソン出演者は誰?
出演者は、メインキャストのかまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨーク。
そしてゲストは、Six TONES ジェシー、田中樹さん、髙地優吾さん、
なにわ男子 高橋恭平さん、
Travis Japan 中村海人さん、松倉海斗さん、
HiHi Jets 井上瑞稀さん、猪狩蒼弥さんです。
視聴者の声は?
「危険だ」というもの・アイドルのファンたちからも「芸人・アイドル関係なく、やめてほしい」という声が多かったです。
マネージャーに対して「危険な仕事を受けないで」の声も多かったです。
出演者自身も、メンバーを心配しているのが表れていた場面、ファンはちゃんと見ています。
推しが頑張ったりする姿はかっこよかった・楽しかったけれど、危険なことは今後絶対やらせないでほしい、という声、「普通の」スポーツ対決が良かった、という声はやはり多いです。
推しが出演するバラエティー、せっかく楽しみにしていたのに、「楽しめない。」も多く見られました。
鼻フック、本当に大丈夫かな、と、自分で試してみたという声もありました。
筆者も、指で試してみたひとりです…。
フックだと、きっともっと痛いだろうと思いました。
どうしてテレビ番組で、これをやってはいけないか
①事故の危険性
番組作りでは、テストを行い、安全管理のもとで行われていることと思います。
安全のためのヘルメットや、膝ガードも付けていました。
しかし、視聴者の意見にもあるように、本当にひやひやしてしまう場面、安全性に疑問を持つ場面が多くありました。
「火薬」をともなう「種目」
特撮ヒーロー作品に出演されるスーツアクターさんも、安全対策のもと、撮影されていますが、そのような撮影に慣れている方であっても、「怪我もしますし、怖かったり痛かったりします。」と仰っています。(TBSラジオ 2024.4.19 より)
人間ですから、当たり前です!
火薬を使うことも、かなり危険を伴う収録です。怪我の危険性と隣り合わせですし、一歩間違えると、取り返しのつかない大事故になります。
たとえこれを、火薬を扱う現場に慣れているスタッフが行ったのだとしても、直接、「競技」をするアイドルや芸人の方々はどうでしょうか?
番組の演出で、「競技」前に爆発させて「脅かす」シーンがありましたが、アイドルも芸人さんも、皆さん、驚かれていました。怖かったことと思います。
「鼻フックでトラックを引く」
また、「鼻フックでトラックを引く」というのも、耳鼻科のドクターに相談してOKが出たのだろうか?と疑問が残ります。
いくつかの耳鼻咽喉科のホームページを見てみましたが、多くのサイトにこのようなことが書かれています。
【鼻骨骨折】どんな時に骨折する?
交通事故やスポーツ、けんか、転倒、転落などの不慮の事故が原因で骨折します。軽度の衝撃でも骨折することがあります。
楓みみはなのどクリニックさんHPより
「軽度の衝撃でも」怪我をする可能性があるため、子どもの頃から「鼻、危ないから気を付けてね」と、大人に言われてきた覚えがある人も多いと思います。
また、鼻骨の周りの骨も一緒に骨折してしまう危険もあります。
【症状】
鼻のつけ根にある硬い骨が折れるため、鼻筋が曲がったり、へこんだりして、外見上の変形が見られます。また、多くの場合は鼻出血を伴います。
鼻骨の周りの骨も一緒に骨折した場合、目の周りの骨の骨折で複視(物が二重に見える)や視力低下など、頬の骨の骨折で顔がくぼむや顔のしびれなど、あごの骨の骨折で口が開きにくいなどの合併症が起こることがあります。
楓みみはなのどクリニックさんHPより
「ぐるぐる回しされた後、跳び箱をとぶ」
「高速回転イス」でグルグル回された直後に、跳び箱をとぶ、という「種目」がありました。
平衡感覚を失っている時に、8段もの跳び箱をとぶのは、骨折など事故につながる恐れがあります。
それに、もし三半規管が弱いかたが、出演者の中にいたら、「競技」を続けるどころではないでしょう。
②「つらいことをさせて嗤う」のはお笑いではない
事故の危険性についてはもちろんのこと、たとえ事故は起きなくて済んでも、出演者がトラウマを抱えてしまう場合があります。
最初にスタッフが 火薬を爆発させて、アイドル・芸人の方々を驚かせたことも、危険な「競技」に臨んだことも、今後トラウマになってしまったら、どうするのでしょう。
また、仲間が「種目」をやりに行くのを、辛そうに見送るアイドルメンバーの姿も見られました。(ジェシーさんが樹さんのことを心配しながら見送ったシーンがあり、ジェシーさんの表情が辛そうでした。)
高速椅子でぐるぐる回されて(50回転)、樹さんが気持ち悪そうに、口を抑えるシーンもありました。
そういった姿を目にするファンも、本当につらい思いをしました。
「つらいことをさせて」「いじって」「脅かして」「だまして」嗤うのは、コンプライアンス違反なのだという認識が、ようやく社会に浸透してきたところです。
たとえ怪我の危険性がない番組であっても、人のことを「嗤う」番組は、出演者も、視聴者のことも傷つけてしまうと思います。
過去に、バラエティ番組で事故が起きていた
バラエティ番組で、過去に実際に事故が起きています。
2022年、TBS系バラエティー「オオカミ少年」の収録で、松本伊代さんが、落とし穴に落下した際に、腰を強打して腰椎を圧迫骨折するという事故が起きました。
この時、事前にシミュレーションを何度も行っていたにもかかわらず、事故が起きてしまったことを、TBSは謝罪し、安全管理を徹底するとしていました。
シミュレーションも何も…。
「落とし穴」に落とすこと自体が危険だということを、事前に誰も知らなかったことが、悔やまれてなりません。
寝たきりで動けない時期があったり リハビリを行ったり、伊代さんも 夫のヒロミさんも、本当に大変だったと思います。
伊代さんは、2023年4月に仕事復帰しています。
シミュレーションは、今回の「ジョンソン」でも、行っているとは思います。
しかし、「落とし穴」という危険性に気付かなかった「オオカミ少年」の時のように、「安全管理」に対して不勉強だと言わざるを得ません。
2014年、学校で、後ろにいた生徒が、ほんのいたずらのつもりで 前の生徒の椅子を引き、引かれた子が下半身不随になってしまう、という事故がありました。
のちに車椅子バスケの選手として活躍することになる山田雄也さんの高校生の時でした。
山田雄也さんは、「子どもたちに 同じような思いをしてもらいたくないので、椅子を引く行為は本当に危険なんだと伝えたい」と、警鐘を鳴らしています。
(ABEMA TIMES 2024.5.1 より)
この「椅子を引いた子」にとっても、償いきれないという、一生の心の傷となってしまったのではないでしょうか。
事故は、起きてしまったら取り返しがつきません。
ですから、「危険性のあるもの」はテレビ番組でやるべきではない、と思っています。
安全が、何よりも大事
5月20日の「ジョンソン」に出演された芸人さん・アイドルの皆さんは、つらくても痛くても、視聴者のためにと頑張ってくださっていました。
これからは、「つらい」や「痛い」が無い、何よりも安全第一な、「ジョンソン」が観たいです。
これからの番組作りに期待しています!
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